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介護福祉士になるには? 受験資格の種類や試験の合格率・合格点まで徹底解説!

「介護福祉士になるにはどうすればいいの?」

「介護福祉士の受験資格って何?」

介護福祉士になるには介護福祉士国家試験に合格しなければなりませんが、国家試験を受けるには受験資格が必要です。

しかし、介護福祉士試験の受験資格を得る方法は少々複雑なので、結局どうすれば介護福祉士になれるのかが分からない方も多いかと思います。

そこで、この記事では介護福祉士になるにはどうすればよいのか、また、介護福祉士国家試験の受験資格を得る方法について解説します。

また、受験資格が最短で得られるものも含め、受験資格を得るための4つのルートをご紹介します。

介護福祉士になる方法についてざっくり説明すると
  • 介護福祉士になるには、介護福祉士国家試験に合格することが必要
  • 国家試験の受験資格を得る方法は、大きく4つ存在する
  • 受験資格を得るための王道は、実務経験ルート
  • 介護福祉士国家試験の合格率は、70%前後

介護福祉士になるには?

介護福祉士とは、介護系資格の中で唯一の国家資格です。

要介護者にさまざまなサービスを提供したり、相談に乗ったりするなど、要介護者やその家族を支えている存在です。

介護福祉士の資格を得るには、介護福祉士国家試験に合格しなければなりません。

介護福祉士国家試験には受験資格があり、以下の4つの受験資格のうちどれか一つを満たす必要があります。

  • 3年以上の実務経験がある人で、なおかつ実務者研修または介護職員基礎研修&喀痰吸引等研修を修了した人
  • 介護福祉士養成施設を卒業した人
  • 福祉系高校を卒業した人(卒業見込み含む)
  • EPA介護福祉士候補者か、3年以上の実務経験がある人

これら4つの受験資格について、以下それぞれ詳しく見ていきましょう。

未経験から介護福祉士の受験資格を得る方法

先ほど述べたように、介護福祉士になるルートとしては

  • 実務経験ルート
  • 養成施設ルート
  • 福祉系高校ルート
  • EPAルート

の4つがあります。

以下では、それぞれのルートの概要についてご紹介します。

実務経験ルート

実務経験ルートは、介護福祉士を目指す上で最も王道のルートと言えます。

実務経験ルートで必要な要件としては、

  • 従業期間3年(1,095日)以上かつ従事日数540日以上+実務者研修(EPA介護福祉士候補者以外)
  • 従業期間3年(1,095日)以上かつ従事日数540日以上+介護職員基礎研修※・喀痰吸引等研修

のいずれかの要件を満たす必要があります(出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)。

※介護職員基礎研修は2012年度末で廃止されているため、新たに受講することはできません。

実務経験ルートは、実際の介護現場で働きながら受験資格を手に入れることができます。

介護福祉士試験の受験を検討する多くの方が通るルートであり、仕事と両立しながら介護福祉士を目指したい方には特におすすめです。

養成施設ルートは最短で要件を満たせる

養成施設ルートは、出身学校や学歴によって養成施設に通う年数が変わります。

  • 高卒:介護福祉士養成施設に2年以上
  • 福祉系大学・社会福祉士養成施設・保育士養成施設などを卒業:介護福祉士養成施設1年以上

このように、一般の高校や福祉系大学、社会福祉士養成施設、保育士養成施設を卒業していると、最短1年もしくは2年で介護福祉士国家試験の受験資格を得ることができます。

福祉系高校ルート

福祉系高校ルートは、福祉系高校、福祉系特例高校を卒業した方のルートです。

なお、

  • 福祉系高校卒業か福祉系特例高校卒業か
  • 入学年度が平成21年(2009年)以前と以降

によって受験資格が異なります。

具体的な受験資格の違いを見ると、以下のようになります。

ルート 内容
2008年度以前に入学 新カリキュラムを修めて卒業
2009年以降に入学 旧カリキュラムを修めて卒業
2009年度以降に特例高校に入学 必須単位を取得し、実務経験として卒業後9か月(273日)以上の従事期間かつ135日以上の従事日数

EPAルート

EPAとは、経済連携協定のことです。EPAルートは、経済連携協定に基づき、フィリピン人、ベトナム人、インドネシア人の方が介護福祉士の資格を取るために設けられています。

EPAルートで介護福祉士を取得するには、

  • EPA介護福祉士候補者になること
  • 3年以上の実務経験があること

のいずれかが必要です。

介護福祉士試験受験時には、

  • 筆記試験と実技試験を受ける
  • 筆記試験のみを受け実技試験は免除される

この2つのどちらかを選択しますが、実務試験免除の場合は、「介護技術講習」「介護過程」「介護過程Ⅱ」のどれかを受講しなければなりません。

なお、当然ながらEPAルートを日本人の方が利用することはありません

実務経験ルートが王道

介護福祉士を目指す多くの方が働きながら取得を目指すことになるので、毎日学校に通うことは困難です

したがって、「実務者研修」を通して受験資格を得る実務経験ルートが最もおすすめです。実務者研修なら、通信コースを選択することでオンライン講義などをメインとして専門的知識やスキルを学ぶことができるからです。

このように、実務者研修は忙しい方でも受講スケジュールを自分の都合に合わせて調整できる点が魅力です。

また、実務者研修を修了すれば、介護福祉士国家試験の受験資格に繋がるだけではなく、仕事の幅が広がっていくため、実務者研修はぜひとも修了しておきたい資格といえるでしょう。

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実務者研修の内容

実務者研修は、以前あった資格であるホームヘルパー1級と介護職員基礎研修を一本化した資格として位置づけられます。

ただ、役割はそれだけにとどまらず、研修は2年以上の養成課程を有する介護福祉士養成校の到達目標と同水準にて実施されているなど、今後の課題や知見も自らの力でキャッチアップする力を期待されています。

取得には450時間のカリキュラム修了が必要

実務者研修を修了するには、450時間のカリキュラムを受講する必要があります。

このカリキュラムに沿った講座は多くの学校が開講しているため、講座を受講すれば実務者研修を修了することができます。

講座は主に、通信と通学をミックスした「通信コース」と、通学のみの「通学コース」の2種類です。

この際、通信コースであっても通学は必要である点には注意が必要です。通信コースは6~10日ほどの通学が必須となります。

通信コースは学習時間を自分で調整できるため、忙しくて毎日通学することが難しい方におすすめです。

一方通学コースは、通える学校が近くにあって、かつモチベーションを保ちながら一定のペースで学習を進めていきたい方に向いています。

具体的なカリキュラム

実務者研修は厚生労働省によってカリキュラムが定められています。

教育内容 時間数 初任者研修 ヘルパー1級 ヘルパー2級 ヘルパー3級 介護職員基礎研修
人間の尊厳と自立 5
社会の理解Ⅰ 5
社会の理解Ⅱ 30
介護の基本Ⅰ 10
介護の基本Ⅱ 20
コミュニケーション技術 20
生活支援技術Ⅰ 20
生活支援技術Ⅱ 30
介護過程Ⅰ 20
介護過程Ⅱ 25
介護過程Ⅲ
(スクーリング)
45
発達と老化の理解Ⅰ 10
発達と老化の理解Ⅱ 20
認知症の理解Ⅰ 10
認知症の理解Ⅱ 20
障害の理解Ⅰ 10
障害の理解Ⅱ 20
こころとからだのしくみⅠ 20
こころとからだのしくみⅡ 60
医療的ケア 50(※)
実務者研修受講時間数 450 320 95 320 420 50
免除時間数 - 130 355 130 30 400

※免除時間数は資格取得による実務者研修の免除時間をさす
※「医療的ケア」では、50時間の講義のほかに演習あり

出典:厚生労働省「届出の必要がない研修にかかる修了認定科目について」

初任者研修修了の方は130時間の免除あり

実務者研修の前段階であり、介護の入門資格である初任者研修を修了している場合、実務者研修が130時間免除されます。

そのため、初任者研修を受けていれば、実務者研修は320時間のカリキュラムで修了することができます。

その他の資格での免除時間は、上記の表でご確認ください。

受講メリットは大きい

実務者研修を受講するメリットとして、まず介護福祉士の受験資格が得られることがあります。

その他にも

  • たん吸引などの専門知識が身に付く
  • サービス提供責任者になれる
  • 就職・転職で有利になれる

などのメリットがあります。

実務者研修を修了するとサービス提供責任者になることが可能です。

サービス提供責任者は人材供給が追い付いていない役職なので、実務者研修を修了することは、就職・転職を有利に進められることにも繋がります。

学研アカデミーの実務者研修講座

実務者研修の受講を検討している方におすすめしたいのが、学研アカデミーの実務者研修講座です。

学研アカデミーは通信コースで学ぶことができるので、忙しい社会人の方でも柔軟にスケジュールを調整しながら学ぶことが可能です。

さらに修了後には手厚い就職サポートも実施しているので、実務者研修を通じてキャリアアップを図りたい方にも大変おすすめな講座となっています。

スクーリング会場は関東圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)にございますので、関東圏にお住まいの方は是非チェックしてみてください。

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介護福祉士試験の難易度は?

介護福祉士は、要介護者の日常生活をサポートし、食事、トイレ、入浴などを介助します。

また、要介護者や家族の相談にものり、身体面の介護だけではなく、精神的なサポートをするのも重要な仕事です。

そんな介護福祉士になるためには、受験資格を得た後に介護福祉士国家試験に合格しなければなりません。

難易度は低い

介護福祉士試験の平均合格率は70%前後で推移しています。

国家試験の中には、合格率10%以下のものが複数あることを考えると、介護福祉士は合格率が高く、比較的難易度は易しめに感じられます。

しかし、介護福祉士試験の場合、受験前に実務経験を積んだり、養成施設に通ったりして専門的知識を十分身に付けた人がさらに勉強して受験しています。

そのため、受験生のレベルが一定水準以上であることから、合格率も高いのだと考えられます。

つまり、母集団のレベルがそもそも高く、その上で7割しか合格できないということなので、数字の印象ほど難易度が易しくない点には注意が必要です。

合格率・合格点

介護福祉士試験の合格率

介護福祉士試験の合格率は上記のグラフから見て取れるように6~7割ほどで推移しています。

合格点は毎年の難易度によって変更されますが、合格点の基準は以下の通りです。

  • 総得点の60%程度を基準にその年の問題の難易度によって補正

変更の具体例を2021年1月の試験で見てみると、以下のようになります。

<筆記>

  • 総得点125点に対し、得点75点以上
  • 「11科目群」すべてで最低1問以上の正解

<実技>

  • 総得点100点中53.33点以上

筆記には補正がありませんが、実技には約7点の補正がかけられました。

毎年難易度によって補正がかけられるため、得点率が60%を切っても合格の可能性は十分にあります。

国家試験合格後の登録も忘れずに

介護福祉士国家試験に合格したら、 公益財団法人 社会福祉振興・試験センターへの登録を忘れずに行いましょう。

登録に必要なものは以下の4種類です。

  1. 登録申請書、登録免許税「収入印紙」の原本(9,000円)
  2. 貼付用紙、登録手数料「振替払込受付証明書(お客さま用)」の原本(3,320円)
  3. 以下のいずれか1通
  • 戸籍抄本の原本
  • 戸籍の個人事項証明書の原本
  • 「本籍を記載した」住民票の原本

外国籍の方は以下のいずれか

  • 中長期在留者、特別永住者:「国籍等を記載した」住民票の原本
  • 短期滞在者:パスポートその他の身分を証明する書類のコピー
  1. 介護福祉士養成施設の卒業証明書の原本※

※必要となる対象者は

  • 平成29年3月31日までに介護福祉士養成施設を卒業した者
  • 平成29年4月1日から令和9年3月31日までに介護福祉士養成施設を卒業し、経過措置による登録を受ける者

出典: 公益財団法人社会福祉振興・試験センター

介護福祉士になるまでのキャリアパス一覧

介護系資格の序列

未経験から介護福祉士になるには、上記の画像の通り、初任者研修、実務者研修、介護福祉士試験というルートを辿るのが王道です。

また、介護福祉士に合格したあと、さらに力を付けていきたい方は、認定介護福祉士を取得する選択肢もあります。

初任者研修とは

介護職員初任者研修は、介護の基本的な知識やスキルがあることを証明する、介護の入門と位置付けられる資格です。

2013年4月の制度変更により、ホームヘルパー2級から名称が変更されました。

初任者研修は、いきなり実務者研修から始めるのがためらわれる場合や実技をしっかり身につけたい場合に受講することをおすすめします。

初任者研修は、通信コースと通学コースの2種類があり、どちらかのコースを修了することが必要です。

なお、注意点としては、実務者研修と同様、カリキュラムを修了するには通信コースであっても数日の通学は必須という点が挙げられます。

また、初任者研修は、実務者研修よりもリーズナブルな費用で受講できるのが大きな魅力です。

介護福祉士合格後の仕事内容

介護福祉士の仕事は、主に要介護者の体に触り、食事、入浴、トイレなどの介助を行う「身体介助」と、家事の支援を行う「生活援助」の2つがあります。

また、ヘルパーとして働くだけではなく、介護福祉士の視点から現場のヘルパーたちを指導してアドバイスも行います。

介護福祉士は、職場のリーダーとしての活躍も期待される資格です。

認定介護福祉士でさらにレベルアップ

認定介護福祉士は、介護福祉士の上位資格であり、2015年12月から始まった比較的新しい資格です。

認定介護福祉士は、介護福祉士よりも専門的な知識を持ち、リーダーとしての指導力、マネジメント能力などを身に付けた人材です。

認定介護福祉士になるには、介護福祉士として5年以上の実務経験が必要です。

また、5年以上の実務経験のあと、認定介護福祉士養成研修を受講しなければなりません。

ただ、現在の研修のカリキュラムでは、科目ごとの受講スケジュールがあり、修了するまで1年以上かかります。

このように認定介護福祉士は取得までに時間がかかってしまう点が課題となっています。

介護福祉士資格取得のメリット

介護福祉士を取得することにはさまざまなメリットがあります。

社会的信頼性の高さが最大のメリット

介護福祉士は、介護系資格の中で唯一の国家資格です。

高度な専門的知識を持っていると国から認められた人材であるため、取得すれば雇用する側からの評価も大きく変わります。

現在、介護の仕事をしていて職場での評価を上げたい方、職場からさらに信頼される人材になりたい方は、介護福祉士の取得をおすすめします。

また、有資格者であることは、利用者との関係性にもメリットをもたらします。

介護者が介護福祉士であることは、利用者に安心感を与えられます。 そのため、利用者とのコミュニケーションが円滑に進みやすくなるでしょう。

このような信頼性の高さは、介護の仕事をする上で非常に大きなメリットだと言えます。

仕事の幅が広い

介護福祉士はヘルパーの仕事をするだけではなく、職場のヘルパーたちに指導・アドバイスをするなど、チームリーダーの役割も果たします。

初任者研修や実務者研修のみを取得している場合と違い、ヘルパーの仕事に加えてマネジメント業務も加わってきます。

このように介護福祉士を取得することによってできる仕事の幅が広がっていきますので、大変な仕事ではありますが、非常にやりがいを感じることができます。

資格取得で待遇改善も見込める

介護福祉士の資格を取得することによって、待遇改善も期待できます。

初任者研修を取得して正規職員に採用される場合、月給は30万円ほどです。

しかし、介護福祉士の正規職員での給与は、さらに数万円高いのが一般的です。年収にすると、初任者研修のみ取得者とは数十万円の開きが出ます。

パート・アルバイトで働く場合でも、初任者研修修了者と介護福祉士では時給は数百円違います。

また、これらの額は一般の介護福祉士の場合であり、役職に就くと給与・時給の大幅なアップが期待できます。

さらに現在高齢化社会が進んでいることから、介護福祉士は今後需要が今よりも高まり、待遇がさらによくなることは大いにあり得ます。

就職・転職現場で有利

介護職は無資格・未経験でも採用されることが可能ではあります。

しかし、介護福祉士は既に専門的な知識やスキルを持っており即戦力であることから、採用側としては無資格・未経験者よりも介護福祉士の方が人材として魅力的に映ります。

そのため介護職で就職したい場合、介護福祉士の資格を持っていることは有利だと言えます。

また、採用後もよりよい環境の職場で働きたいと思えば、転職することも十分可能です。

介護福祉士の資格を持っていることにより、自分の希望するキャリアを築きやすい点は非常に大きなメリットだと言えます。

介護福祉士になるにはまとめ

介護福祉士になる方法まとめ
  • 介護福祉士国家試験に合格する必要があり、合格率は70%前後
  • 受験資格を得るためのルートは「実務経験ルート」「養成施設ルート」「福祉系高校ルート」「EPAルート」の4つ
  • 受験資格は実務経験ルートでの取得が一般的
  • 介護福祉士になることで様々なメリットを享受できる

介護福祉士になるための方法について紹介しました。

介護福祉士は大変な仕事ではありますが、やりがいや魅力がある職業です。ぜひ資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

介護士養成コースのお役立ち情報